2022.11.15 | HOW TO

レンズのコーティング剥がれはなぜ起こる?メガネの正しい扱い方も紹介

メガネの汚れが落ちにくくなっているのは、コーティング剥がれが起こっているのかもしれません。レンズにキズがついている場合も同様で、そのままにしておくのは良くありません。見えにくいだけでなく、さまざまな影響が出てしまうリスクもあるからです。そこで今回は、コーティング剥がれに関する情報を紹介していきます。原因やメガネの適切な扱い方も解説するのでチェックしておきましょう。

メガネレンズのコーティングとは

ほとんどのメガネのレンズはプラスチック製です。いろいろなメリットがある一方で、ガラスレンズよりも傷つきやすくなっています。その弱点を補うために、製造段階で表面にコーティングを施すことが必要です。また、レンズのコーティングは、あくまでもメガネの使い勝手を良くするためのものです。そのため、レンズの保護はもちろんですが、視界を遮らないように配慮して加工されます。標準的なコーティングはわずか0.001mm以下という薄さです。これは食品ラップの10分の1~1000分の1程度の厚みしかないので、通常の状態だとレンズを指で触っても分かりません。

コーティングの種類

一般的なレンズの場合、レンズ基材の上に施されているコーティングは次の3種類です。ハードコートはキズの防止が目的で、マルチコートは光の反射を抑制し、撥水コートは水を弾いて汚れの付着を減らします。他にも、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイから発生するブルーライトをカットするコーティングや、温度差によって生じるレンズの曇りを防ぐ曇り止めコーティングなど、使用目的に合わせたさまざまなコーティングがあります。

メガネレンズのコーティング剥がれとは

さまざまな要因によってメガネのコーティングは剥がれてしまいます。メガネをどんなに丁寧に扱っていても起こりえる現象で、実際にそうなると日常生活で不便が生じやすいです。たとえば、反射防止コートが剥がれているメガネだと、車を運転する際に影響が出てしまいます。目に入る対向車のライトや信号をまぶしく感じるので危険です。日常的にまぶしさを感じていると白内障になるリスクも大きくなります。

また、レンズ上で乱反射が生じるため、目に届く光は均一ではありません。これによって目が疲れやすくなる点にも警戒が必要です。さらに、コーティングが剥がれている領域は次第に広がっていきます。剥がれていない領域との境界などが目立つようになるので、外見やファッションの面でも良くありません。

メガネレンズのコーティング剥がれが起こる原因

メガネレンズのコーティングがどうして剥がれるのかを把握しておきましょう。ここでは代表的な4つの原因について詳しく説明していきます。

キズ

コーティングがレンズを保護する機能には限界があり、ささいな不注意でキズがつくことも珍しくありません。たとえば、乾いた布でレンズを拭く際にそうなってしまうケースも多いです。レンズに硬い異物やホコリが付着していると、それらをコーティングに押し付けながら擦ることになります。また、メガネ拭きではなく、着用している衣服などでレンズを拭く人も見受けられます。衣服の硬い繊維や刺繍などがコーティングと擦れるので良くありません。いずれにせよ、表面が削れることでキズになりやすいのです。

熱によって起こるクラック

プラスチックレンズは軽量で割れる心配も不要ですが、熱に対しては強くありません。過剰な熱が加わるとレンズ本体は膨張していきます。ここでポイントになるのは、反射防止コートに同じ特性がないことです。したがって、レンズが膨張し始めると、反射防止コートがそれに追従できず、クラックと呼ばれるヒビ割れが発生してしまいます。また、継続的に熱を受けるケースだけでなく、急激に温度が変わったときもコーティングは剥がれやすくなります。

水やけ

水滴がレンズに付いても、しっかり拭き取っておけば大丈夫です。しかし、拭かずに放置していると、水やけと呼ばれるシミができてしまいます。これは水分が乾燥したときに、そこに含まれていた汚れが表面に残ったものです。時間が経って染み込んでいる状態であり、コーティング剥がれにつながってしまいます。雨が降ったときだけでなく、テーマパークや海などに行ったときにも起こりやすいです。どの場合でも、メガネにかかった水は次第に蒸発していきますが、汚れが取れることはありません。

化学反応

コーティングの成分が化学反応を起こすことも原因の一つです。具体的には、酸性洗剤やアルカリ洗剤、有機溶剤などと接触した場合にそうなります。また、化粧品や果汁の成分も悪影響を及ぼすなど、コーティングを溶解させるものは意外と多いです。なお、石けんも同様なので、それを使ってメガネを洗う行為は適切ではありません。コーティングが石けんの成分と化学反応を起こして浮き上がります。そして、むき出しになったレンズに汚れが付着するとシミになりやすいです。

コーティング剥がれを防止するメガネの正しい扱い方

普段から適切にメガネを扱っていれば、コーティング剥がれの予防は十分に可能です。ここでは3つの観点から重要なポイントを紹介していきます。

洗い方

メガネの手入れ自体は良いことですが、デリケートな作業であることを忘れてはいけません。メガネに汚れがあると湯で洗いたくなる人もいるでしょう。しかし、レンズは熱に弱いので水洗いによるケアが基本です。ぬるま湯の熱でさえ悪影響があり、コーティングは剥がれしまう可能性があります。また、汚れがひどい場合も、酸性洗剤やアルカリ洗剤は使用しないでください。化学反応を避けるため、水で薄めた中性洗剤を使って洗いましょう。

拭き方

メガネをかけているときは気付きにくいのですが、レンズに砂やホコリが付着することはよくあります。その状態で拭くとキズがつき、コーティング剥がれが広がる際の起点になりやすいです。そのため、まず水で軽く洗い流し、ティッシュで水分を取り除きましょう。そして、メガネ拭きで仕上げるという流れならリスクは小さいです。拭くときに力を入れるとキズがつきやすいため、優しく丁寧に進めることもポイントになります。

手軽にきれいにしたいなら、メガネ専用クリーナーを使うことが得策です。レンズにワンプッシュして指で伸ばすと、汚れが浮かび上がります。それをティッシュで拭き取ってからメガネ拭きで仕上げてください。なお、ティッシュを乾拭きに使用するのは良くありません。繊維が粗くて、キズの原因になってしまうからです。また、メガネ拭きを何度も使っていると汚れが溜まっていきます。ですから、定期的に洗って清潔な状態を維持することも大切です。

使用環境

プラスチックレンズが熱に弱い点を考慮し、そのリスクが大きい行為を回避する必要があります。たとえば、メガネをかけたままサウナやお風呂に入るのは不適切です。また、季節的には、やはり夏に警戒を強めなければなりません。車中に置きっぱなしにしたり、炎天下で長く使ったりするとコーティング剥がれを招きます。一方、季節に関係がない熱源としてドライヤーが挙げられます。たばこや焼き肉といった煙の量が多いものも同様なので、状況に応じてメガネを外すなどの配慮をしましょう。

メガネの耐熱温度を意識して行動することも重要です。レンズによって異なりますが、一般的な目安は55度であり、それを上回るとクラック発生の可能性があります。また、メガネをかけないときは、しっかりとメガネケースに入れてください。そうすれば、ある程度はコーティングの脅威になる外部要因のシャットアウトが可能です。

メガネレンズのコーティング剥がれの修理はできるか

コーティングが剥がれたレンズに、再びコーティングを施すことは不可能です。つまり、修理はできないため、新しいレンズに交換しなければなりません。コーティングの寿命はおよそ3年なので、メガネの度数が変わらなくても、そのくらいの周期でレンズを変えることをおすすめします。ただし、これはあくまでも目安であり、それ以下でもキズが気になり始めたら交換の頃合いです。

コーティング剥がれが起きたらメガネを作り替えよう

メガネレンズのコーティング剥がれは、さまざまな要因によって起こります。いずれの場合も修理はできないので、新しいものに交換しなければなりません。OWNDAYSなら、他店で購入したメガネに関してもレンズ交換が可能です。基本料金は¥7,700 税込で、レンズ代だけでなく、視力測定やレンズ加工、フレームクリーニングの料金も含まれています。リーズナブルな価格でレンズ交換が可能なので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

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