OWNDAYS MEETS vol. 29 本間正人学者

OWNDAYS MEETS 29回目のゲストは、「学習学」を提唱し老若男女を問わず学習をし続けていく重要さを説く本間正人さん。「学習学」という概念に行き着いた今までの道程や、これからについてお話を伺いました。

本間正人

本間正人Masato Homma

学者

京都造形芸術大学 副学長
1959年東京生まれ。
1982年に東京大学文学部社会学科を卒業後、松下政経塾へ第三期生として入塾。松下政経塾では松下幸之助の経営哲学を学び、国際連合国際青年事務局などでの実務研修を経験。
1998年ミネソタ大学にてPh.D. (成人教育学博士号) を取得。米国Coach University課程を修了し、国際コーチ連盟より認定プロフェッショナルコーチ資格を日本人初で取得。

ミネソタ大学在籍中、スカウトによりミネソタ州政府貿易局日本室長に就任。州の知名度向上キャンペーンの功績により知事特別表彰を受ける。
その後研修講師・コンサルタントとして独立。テレビ番組講師を始め、政治・経済の分野で講師・主要メンバーとして多岐に渡り活躍。

現在は京都造形芸術大学副学長 (通信教育部担当)として在籍しながら、超参加型の企業研修講師 (エデュテイナー) として年間100日以上の研修や講演をこなしている。

本間さんが提唱する「学習学」とはどのようなものでしょうか?

世の中の「教育学」というのは昔からあるわけですけど、これは教える方の都合でできている学問なんですね。
学校には時間割がありますけども、これは全教科の先生をフルタイムで雇うっていう前提で存在するわけです。
eラーニングでいくらでも自分の時間に、自分らしく学ぶことができるようになった今の時代、まだ学ぶ側の視点で考えられている学問というのはないんですよ。「じゃあ作っちゃおう」っていうことで「学習学」というものを僕が作ったというわけですね。

人間とは生来学ぶ存在であり、生まれてから死ぬまでずっと学び続ける存在なんですが、教育学があまりにも蔓延して、学校の授業だけを「学習」だとみんな勘違いしちゃってる。
人間関係も学びだし、子育ても学びだし、結婚生活なんて異文化コミュニケーションの最たる学びかもしれない。
でもそういうものを全部「学習」だと括って研究している人がいないので、僕が「学習学」を提案していると言うわけです。

「学習学」という概念に行き着いた経緯とは?

僕は松下政経塾の三期生だったんですけども、その創設者・松下幸之助さん (現パナソニック創設者) の影響が大きいですね。
彼のオフィシャルな最終学歴っていうのは小学校四年中退なんですよ。しかし彼は一生を通じて自分で学び続けてきたからこそ。僕の言い方で言うと「最新学習歴を更新し続けてきた」からこそ「松下幸之助」に成り得たんです。
そういう意味では学習学のロールモデルは松下幸之助さんなんですね。
僕自身、松下幸之助さんにはすごく影響を受けていて、マネージメントや人使いの秘訣みたいなものは松下幸之助さんからの受け売りが多いんですよ。

現代社会において「人」の可能性を伸ばすために必要なこととは?

能力開発よりも「元気開発」の方がむしろ大事なんじゃないかなと思っていまして、みんなが生き生き働いてる方が、自分で学ぶ向上心を発揮できると思うんですね。
元気開発に一番大切なのは、やっぱりコミュニケーションを増やすことですね。今の世の中、オフィスは会話量が減って文字情報ベースのコミュニケーションになっちゃって、face to faceのコミュニケーションが非常に少なくなっている。これを増やしていくっていうのが一つ。

もう一つは「美点凝視」ですね。人の良いところに目を凝らして、褒めるという事です。
欠点を追求してしまうとみんな元気をなくしちゃうので、お互いの良いところを見つけてそれを言語化するっていうことが、組織を元気にしていく上ですごく重要だと思ってます。

本間さんの学生たちとの関わり方とは?

僕が着任して一番始めにやったのは、「ラーニングカフェ」という「みんなで集まってお茶飲もながら話しようよ」という取り組みでした。
「コミュニケーション苦手なんです」って言いながら入ってくる子も結構いるわけです。でも苦手だと思ってることは練習不足に過ぎなくて、練習を積み重ねていくと自然に出来るようになる。
「君はこういう良いとこあるよね」っていうところを見つけてみると、必ず良いところがあるんですよ。「ここなら大丈夫だよ」っていう安心感を与えられる場であることがすごく大事。
「サードプレイス」という言い方もしますけど、学校の中でのサードプレイス的な位置づけで「ラーニングカフェ」っていうのを作ったんですね。

講義においても、僕自身は「ライブ・エデュテーナー (参加型研修講師) 」であれと思っています。せっかく学生がそこに集まったんだから隣の人とペアワークするとか、前後四人でグループワークするとか、実際に自分で考えたことを声に出す、言葉に出す。そしてお互いに聞き合うみたいな、そういえ場数を踏めるような、楽しくて絶対に寝かさない授業っていうのをやってます。

本間さんが理想とする社会のあり方とは?

誰もが「最新学習歴」を更新できる社会。これが僕の理想ですね。
地球全体が学習する地球社会「ラーニングプラネット」になっていくことが、学習学の一番の理想のイメージです。
人類が自然から学び、歴史から学び、文化の多様性から学び合う。これが平和な地球社会っていうのを作っていくことになると思うんです。
各地域とか各学校の中にあっても同じことで、お互いに学び合っていくっていうような社会がすごく大事だと思います。

そして誰もが学び続けるっていうことが本当にタブレット1台、スマホ1台あれば非常に高いレベルでできるようになってきました。
人生100年時代。人は何歳からでも学び続けることができる。今うちの母が84歳ですけれども、うちの和の伝統文化コースの学生をやってるんですよ。
学び続けてる人は気持ちが若くなるし、それが健康寿命を延ばしていくっていうことにも繋がるんじゃないかなとか思っているので、そういう社会を実現していけるといいなと思っています。

AIと人間の学習の違いとは?

まず一つ目が、AIは「これをやれ」っていうコマンドを与えないと動かない。ところが人間は初期条件を与えなくても、五感で感動して発見して新しいもの創造できる。
二つ目が人間関係を構築し深めていくこと。あの鉄腕アトムとかドラえもんぐらいまで行けば人間関係に近い付き合いができるかもしれないけど、それはだいぶ先のこと。人間関係を作ることができるのはやはり人間だけだと思います。
三つ目が主体的にチャレンジする力。やっぱり「これをやってみよう」と思うのは人間だけですね。「自分はこの道だ」っていうのを見つけた人はAIには影響されない、自分のクリエイティブな人生を歩んでいけると本当に思います。
最後の四つ目が意味付けをする力。機械はパターンを見つけることはできるけれども、何かそれに意味を持たせるっていうことはできないんですよ。
この四つの領域っていうのが 人間とAIを隔てる要因になると思います。

AI・ロボットがどんどん進化していく時代においては、今までの左脳中心に教育ではなく、右脳や脳の全体を使うような教育・学習活動がますます重要になっていくと思います。
例えば外国語を学ぶっていうことは、自分の頭の中に新たな思考回路をインストールすることになる。
日本語を使ってる時、人は日本語の思考回路になるんですね。でも他の言葉を学ぶと、その言語の思考回路を自分の内側に持つことができる。
外国語を学ぶことで、新しい思考枠組みっていうのを自分の中に持つ。そういう切り口で教育のあり方を考え直すことが大事だと思っています。

本間さんの今後の目標を教えてください。

僕は今六十歳なんですが、七十歳になる2030年までに国連がSDGs (持続可能な開発目標) っていうのを唱えている。
おそらく本格的な実現は2050年なると思いますけれども、これから10年間は世界中で地球社会「ラーニングプラネット」のビジョンに向かって、世界中のいろんな人たちと知恵を集めながら実現を目指していく潮流になります。
これを達成することが僕のこれから10年間の目標であり、僕の人生の集大成になるかなと思っています。

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このメガネは本当に軽いですね。
大学の先生って学生に親しまれたい部分と、やっぱり「先生らしく」っていう風に思われたいっていう部分もあるんですよ。
僕自身声が高めなので、軽く見られちゃうことがあるわけです。なので少しメガネで格調高くというか、落ち着いた雰囲気を醸し出したいということでこのメガネを選ばせて頂きました。

品番
AU2034-Q
価格
¥12,980 + 税
カラー
C4 ライトピンク
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